住宅について調べていると性能を現す指標として色々な数値が出てきます。
特に断熱性能については種類が多い気がしています。
このままでは家の説明を聞いてもピンとこないと思ったので、この機に各数値について調べてみました。
各数値の意味
C値
C値は建物内の気密性を表す数値です。
建物全体を見た時にどれくらいの比率で隙間があるのかを示しています。
算出式はこちら
隙間面積(c㎡)/延床面積(㎡)
1㎡あたりに何c㎡の隙間があるかがわかるって事ですね。
気密性能なので断熱性能とは違うのですが、隙間があれば当然そこから熱の出入りが発生してしまうので断熱性能の1種と考えても問題無さそうです。
2009年までの次世代省エネ基準によるC値の基準値はこの値です。
温暖な地域:5.0c㎡/㎡
寒冷な地域:2.0c㎡/㎡
2009年の改定で次世代省エネ基準からC値の基準は削除されたそうです。
削除されてはいますが色々なハウスメーカーのC値を見てみると1.0c㎡/㎡を下回る数値を出しているメーカーも多いので気密性が軽視されている事は無さそうです。
UA値
UA値は断熱性能を示す数値です。
外皮平均熱貫流率とも言います。
なんか難しい言葉ですね・・・
簡単に言う屋根や外壁、床や窓からどれくらい熱が逃げて(入って)しまうのかを示す数値みたいです。
算出式はこちら
建物が失った熱の総量/外皮面積(㎡)
床を含む建物の外皮面積1㎡当たりでどれくらいの熱が移動するのかを表しています。
この数値が低いほど夏は建物の中が暑くなりにくく、逆に冬は冷えにくくなります。
四季のある日本では重要な数値ですね。
断熱等級を決める指標になる値ですが、国土交通省が公開している情報によると同一の等級でも地域によって基準値が異なります。
寒い地域ほど厳しい条件になっているので断熱性能は暑さよりは寒さの方を基準にした数値なのかもしれませんね。
Q値
Q値もUA値と同様に断熱性能を示す数値になります。
UA値と何が違うのかというと、Q値は換気による熱損失も含める事と算出する面積が外皮面積ではなく延べ床面積で算出する点です。
この換気というのはおそらく2003年に義務化された換気システムによる換気の事でしょう。
延べ床面積で算出すると正確な数値が図れない事からUA値が省エネ基準の値として使用されているそうです。
確かに同じ延べ床面積でもめちゃくちゃ天井が高い建物と普通の建物だと差は出る気がしますね。
でも普通の家づくりでは天井までの高さが極端に変わる事はそうそう無いし、住んでからは換気が自動的にされる事を考えるとQ値の方が体感に近い数値になるような気がします。
個人的にはUA値は建物のカタログスペックでQ値は実測値くらいの感覚でいこうかなと思います。
ηAC値
ハウスメーカーのページでもあまり見かけない数値です。
初見では読む事もできませんでしたが、イータエーシーと読むみたいです。
国土交通省のページによると冷房期の平均日射取得率の値のようです。
簡単に言うと日光による熱がどれくらい入ってくるかという事ですね。
建物の外皮面積1㎡あたりの日光から入ってくる熱量はどれくらいかって事ですね。
ちなみに暖房期の平均日射取得率を示すηAHという値もあるそうです。
ηACは低いほど良いがηAHは高いほど良いとされています。
断熱性能的に同じになんじゃ?と思ったのですが冬と夏では太陽の高さが違うので軒の長さとかで調整できるみたいですね。
まとめ
C値:気密性の数値
UA値:断熱性の数値 建物自体のスペック
Q値:断熱性の数値 換気も加味していて実際に暮らした時の状況に近い
ηAC:日射による熱の取得量
これらの数値は基本的に全て低いほど良い性能。
UA値とηAC値それぞれの断熱等級のうち低い方が建物の断熱等級になる。
こんな感じで把握しておけば断熱性能の話になってもそれなりについていけそうな気がします。
また新しく学んだ事があったら追記しようと思います。
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